【時効は3年】不倫を知ってから何年まで請求できる?時効をストップさせる方法
不倫、すなわち不貞行為による慰謝料請求には、時効があります。この時効を過ぎてしまうと、残念ながら法的に慰謝料を請求することができなくなってしまいます。不倫を知ってから、いつまで請求できるのか、そして時効を止めるためにはどうすれば良いのか、詳しく解説していきます。
慰謝料請求権の時効とは
不倫による慰謝料請求権には、民法で定められた時効が適用されます。具体的には、以下の2つのケースで時効期間が異なります。
不倫を知った時点からの時効
不法行為(ここでは不倫)があったことを知った時から、3年で時効にかかります。
例えば、夫が浮気をしていることを妻が知ったのが2023年1月1日だった場合、2026年1月1日を過ぎると、原則として夫および不倫相手に対して慰謝料を請求する権利が消滅します。
「知った時」というのは、単に噂を聞いただけではなく、客観的に不倫の事実を認識できた時を指します。例えば、配偶者のメールやLINEの内容、写真、第三者からの明確な証言などがこれにあたります。
不倫行為があった時点からの時効
不法行為(不倫行為)があった時から、20年で時効にかかります。
これは、不倫の事実を知らなかったとしても、不倫行為自体が発生してから20年が経過すると、請求権が消滅するというものです。
しかし、一般的には、不倫の事実を知ることが慰謝料請求の前提となるため、多くの場合、前者「不倫を知った時点から3年」が適用されることになります。
時効をストップさせる方法(時効の完成猶予・更新)
時効期間が経過してしまう前に、時効の進行を一時的に止めたり(時効の完成猶予)、リセットしたり(時効の更新)する方法があります。これらを適切に行うことで、慰謝料請求の権利を維持することができます。
請求
最も一般的な方法として、内容証明郵便で請求書を送付する方法があります。
内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を、誰から誰へ送ったかを郵便局が証明してくれる制度です。
これによって、相手方に対して法的に請求を行ったことが記録され、時効の完成が猶予されます。
ただし、これはあくまで一時的な猶予であり、請求の通知から6ヶ月以内、またはそれ以前に時効期間が到来する場合には、さらに時効を延長するための次の手続きが必要となります。
裁判上の請求
調停の申立てや訴訟の提起も、時効の完成猶予・更新の効果があります。
調停や訴訟を起こすことで、法的な手続きに入ったことが明確になり、時効の進行が止まります。
裁判が終結するまで、または調停が成立するまで時効は進行しません。
ただし、訴訟を起こしたものの、裁判所の判断ではなく、当事者間の合意(和解)で終了した場合、その和解内容によっては時効の更新事由にならない可能性もあるため、注意が必要です。
承認
相手方が不倫の事実を認め、慰謝料の支払いを約束すること(承認)も、時効を更新させる効果があります。
例えば、口頭での約束でも有効ですが、後々のトラブルを避けるためには、書面で約束を取り付けることが望ましいです。
具体的には、以下のようなものが該当します。
* 示談書や和解書への署名・捺印:不倫の事実と慰謝料の支払いを約束した書面。
* 一部の慰謝料を支払うこと:たとえ全額でなくても、一部でも支払いがなされれば、時効は更新されます。
* 謝罪文の提出:不倫の事実を認め、謝罪する内容の文章。
ただし、相手方が不倫の事実を争っている状況で、単に「話し合いに応じる」といった程度の約束では、時効の更新事由とは認められない可能性が高いです。
差押え
もし、裁判で勝訴判決を得たにも関わらず、相手方が慰謝料を支払わない場合、財産の差押えを申し立てることができます。
差押えを行うことによって、時効は更新されます。
これは、強制的に債権を回収するための最終手段であり、法的な手続きを伴います。
時効の完成猶予・更新における注意点
時効の完成猶予・更新は、有効に行わないと意味がありません。いくつか注意すべき点があります。
* 「知った時」の立証:不倫を知った日を正確に証明できる証拠(メール、LINE、写真、日記など)を確保しておくことが重要です。
* 内容証明郵便の送付:請求書は必ず内容証明郵便で送付しましょう。普通郵便では、送付した事実を証明することができません。
* 6ヶ月ルールの理解:内容証明郵便による請求の場合、請求の通知から6ヶ月以内に、さらに裁判上の請求や承認などの時効更新事由がなければ、時効が完成してしまう点に注意が必要です。
* 相手方の対応:相手方が時効の完成猶予・更新に協力しない場合、最終的には裁判手続きが必要になることもあります。
* 専門家への相談:複雑なケースや、相手方との交渉が難しい場合は、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切な手続きをアドバイスし、代理人として交渉や法的手続きを進めてくれます。
まとめ
不倫による慰謝料請求の時効は、不倫を知ってから3年、または不倫行為があった時から20年です。
時効が迫っている場合や、今後請求を検討している場合は、内容証明郵便での請求、調停・訴訟の申立て、相手方からの承認といった方法で、時効の完成猶予・更新を図ることが不可欠です。
特に、感情的にならず、冷静に証拠を収集し、法的な手続きを理解した上で行うことが、慰謝料を確実に請求するために重要となります。
不明な点や、ご自身の状況に合わせた最適な対応を知りたい場合は、早めに弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。